2025.2.28

「健康のために余分な脂肪を減らしたい!」と考え、運動、食事も頑張って取り組んでいるのになかなか結果がでない・・・と悩んでいる方は少なくないですよね。その要因のひとつは睡眠不足かもしれません。実は、睡眠時間と肥満は深い関係があると言われています。
なぜ睡眠不足は肥満になりやすい?
①食べすぎに繋がる

食欲は、ホルモンのバランスによって変化します。睡眠不足になると食欲を抑える「レプチン」が減少し、食欲を増進させる「グレリン」が増加。食事や間食が増えやすくなり、結果として肥満に繋がると考えられています。また、起きている時間が長くなると食事の機会が増えてしまう人もおり、必要以上のエネルギーを摂取してしまうことがあります。
②活動量の低下

睡眠不足になると疲労感が抜けず、日中の活動量が低下しがち。活動量が低下すると消費エネルギーが少なくなるため、摂取エネルギーの方が上回りやすくなります。過剰になったエネルギーは脂肪として蓄積されていきます。
③インスリンの働きが低下
睡眠時間が短くなると、交感神経が刺激されることによりコルチゾールの分泌が高まることがわかっています。コルチゾールは様々な働きがあり、身体にとって必須のホルモン。一方で、血糖値を下げるホルモンである「インスリン」の効き目を悪くする作用もあります(インスリン抵抗性)。インスリンは脂肪を合成する作用もあるため、効き目が悪くなり、たくさんのインスリンが分泌されると、脂肪を溜めこみやすくなります。
どのくらい睡眠時間をとればいい?

一般的には、睡眠時間7~8時間で、健康リスクが低くなると言われています。睡眠時間が6時間未満になると、死亡リスクが有意に上昇するという報告があるため、少なくとも6時時間以上確保することが推奨されます。
睡眠時間を確保するためには、寝るための環境づくりも大切です。光、音は寝つきに影響するため、就寝2時間前からは強い照明やスマートフォンの光は避け、静かな環境で眠りにつきましょう。リラックスタイムにスマートフォンで配信動画をみる人も多いと思いますが、終わりがなく延々を観ることができるため、「気が付いたらこんな時間に・・・」という経験をしたことがある人もいるはず。時間を決めて、計画的に楽しみ、睡眠時間を削らないようにしましょう。
▼関連コラム
質のよい睡眠のために!睡眠環境づくりのポイントとは?
睡眠の質を高めるには?
肥満の原因は様々ありますが、睡眠が少なくなりすぎるとリスクが高まる傾向にあるため、運動、食事だけではなく、睡眠にも意識を向けて身体づくりができるといいですね。
参考
●厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023
https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf
(2025年2月28日利用)
●大井 元晴,陳和夫, 肥満症と睡眠障害,日本内科学会雑誌 第100巻 第4号・平成23年4月10日
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/100/4/100_966/_pdf
(2025年2月28日利用)
●厚生労働省 e-へするネット インスリン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-011.html
(2025年2月28日利用)