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Column
噛む健康・カラダづくり

お酒と「ご飯」は太る⁈
~太りにくく次の日も元氣に過ごすためのお酒の席での食事の摂り方~

2024.12.27

 

適量のお酒は、気持ちを軽やかにしてくれたり、緊張感を和らげたり、ストレスを軽減してくれたりすることもあります。また、冠婚葬祭などの節目にお酒の席があったりと、私たちの暮らしに彩りを添えてくれるものでもあります。

ただし、お酒は健康を害してしまうこともあるので、付き合い方には注意が必要です。

   

   

1.国内における飲酒と健康の話

  

日本ではアルコール度数や何杯飲んだかで飲酒量を把握するのが一般的でしたが、2024年2月に、厚生労働省はお酒に含まれるアルコールの量、「純アルコール量」で健康へのリスクを示した、「飲酒ガイドライン」をまとめています。純アルコール量は、飲んだお酒の量とアルコール度数などを掛け合わせて計算できます。このガイドラインで、具体的な数値として「1日当たりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上」で生活習慣病のリスクを高めるとしています。

例えば、アルコール度数5%のビールでは、中瓶1本・500ミリリットル飲むと、純アルコール量は20グラムに相当します。そして、疾患ごとに発症リスクが高まる酒量を純アルコール量換算で示し、適量を心掛けるよう明記されています。さらに、高血圧などは少量でもリスクが上がると警告しています。

  

このガイドラインには健康に配慮した飲み方として

●あらかじめ量を決めて飲む
●飲酒前に食事を摂ったり飲酒の合間に水を飲んでアルコールがゆっくり吸収されるようにする
●1週間のうちで飲酒しない日を設ける

などに気をつける必要があるとしています。

  

ただし、飲酒による体などへの影響について、年齢や性別、体質などによる個人差が大きいとされており、「より少ない飲酒量とすることが望まれる」と強調もしていますので、まずは、自分自身の健康状態を把握し、適切と思われる飲み方を選択していきましょう。

出典:厚生労働省ホームページ 
(https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001252826.pdf)

  

  

  

2.お酒とうまく付き合う~お酒を飲むときの食事の摂り方~

  

お酒を飲む頻度や量など気を付けることはもちろんですが、付き合いなどお酒を飲む機会はありますよね。そんな時に役立つ悪酔いしにくく太りにくい『お酒を飲んだ時の食事』について、ちょっとしたコツをお伝えします。

  

≪お酒を飲むとどうなる?≫

少量のお酒を食前に飲むと、胃液の分泌を促し食欲を増進させる効用があります。

しかし、空腹状態でたくさんのお酒を飲むと、胃腸を強く刺激し粘膜を荒らしたり、消化管の運動機能に影響を与えたりもします。また、胃腸に何もない状態ではアルコールが吸収されやすいため、急激に血液中のアルコール濃度が上がり、さまざまな障害が起こりやすくなります。

アルコールは口から入ると大半が小腸で吸収され、その後肝臓へと運ばれます。肝臓に運ばれたアルコールは、アセトアルデヒドという有害物質に分解されます。最終的には、水と炭酸ガスに分解されて、汗や尿として体外へ排出されます。アルコール処理能力が間に合わなくなると、体内にアセトアルデヒドが残ってしまい頭痛や動悸、吐き気などの症状を起こします。

  

◆お酒を楽しんで体も守る『お酒の飲み方と食事のコツ』

①最初に度数の高いお酒を飲まないようにしましょう。
空腹状態に強いお酒を飲むと、胃腸の粘膜を荒らす原因となります。

②お酒の飲む前、飲んだ後には『ご飯』
アルコールを分解する肝臓は、主に糖質をエネルギー源として働いているため、糖質の少ない食事は肝機能への負担を大きくします。つまみやおかず、ご飯を控えすぎてエネルギー不足(糖質不足)の状態でお酒をたくさん飲むと、肝機能が悪くなりやすいので注意してください。

  

お酒と一緒に食事を食べるのはちょっと抵抗があるという方もいるかもしれませんが、先に「ご飯」をお腹に入れてから飲むと、おつまみの食べ過ぎを防いでくれたり胃腸の粘膜を守ってくれたりもします。

飲んだらラーメンや甘いもので締めたいというのは、肝臓がエネルギーを欲しているために起こる現象と言われています。つまみなどで塩分を多く摂った状態でラーメンを食べると、摂取した塩分が多くなりむくみやすく、翌日のもたれにも繋がります。甘いものは、中性脂肪上昇や内臓脂肪蓄積に繋がるので、控えましょう。

  

ご飯はご飯でも、お茶漬けや雑炊など咀嚼せずに流し込めるものはオススメしません。


「よく噛むこと」ができるものを選びましょう。「よく噛むこと」が消化の助けになるため、胃腸に余計な負担をかけずにすみます。

  

ということで・・・

締めはおにぎり、白ご飯が最適!

  

一緒に味噌汁を飲むと、アルコールで冷えた胃腸を温めて代謝を高め、胃腸の粘膜の修復やアルコールで疲れた肝臓の回復を助けるので、お味噌汁もオススメの一品です。

しっかりとエネルギーを摂りながらお酒を飲むと、アルコールの分解がスムーズに行われるため二日酔いにもなりにくく、またご飯は食物繊維も含まれ便通にも繋がりやすいため、お腹もスッキリしやすいですよ。

  

  

3.お酒と一緒に「ご飯」を食べると太る?

  

アルコールのカロリーは、「エンプティ・カロリー」とも言われ、体に蓄積されず優先的に分解されて熱に変わります。摂取してもすぐに消費されていくので、アルコールだけなら“太る”ことにはつながりません。

ただ、このアルコールのカロリーが消費されている間、おつまみなどから摂取したカロリーは使われず待機状態に。お酒を飲めば飲むほど、おつまみや食事から摂取されたカロリーは消費されにくく、残ってしまうと脂肪として蓄積されます。砂糖やシロップなどが使われている甘いお酒や、お酒と一緒に食べる食事のバランスにも注意が必要ということです。

   

また、ご飯を食べずに肉や魚、揚げ物などが多くなると、脂質とたんぱく質の割合が増えます。脂質とたんぱく質の多い食事は、食べたものの胃での滞在時間が長く、消化に時間がかかるため、寝ている間の胃腸の負担が大きくなります。これによって胃もたれが引き起こされたり、消化不良による腸内環境悪化が起こったりするため、太りやすさにつながります。

しっかりご飯を食べた方が胃腸への負担が少なく、また肝臓のエネルギー不足を防ぐことにもなるのでご飯の控えすぎには注意しましょう。

  

他に、ビタミン類はアセトアルデヒドの分解を促し、肝臓の働きを助けます。また、アルコールの利尿作用により「カリウム」が失われるので、ご飯のほかに、野菜(野菜たっぷりの具沢山味噌汁がお勧め)類、大豆製品なども摂るようにしましょう。

自分の適量を知って、お酒とうまくお付き合いを。楽しい時間をお過ごしくださいね!!

  

  

  

参考

厚生労働省

●健康に配慮した飲酒に関するガイドラインについて
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38541.html(2024年12月10日利用)

●「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」
https://www.mhlw.go.jp/content/001211944.pdf(2024年12月10日利用)

●e-ヘルスネット「アルコールの消化管への影響」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-010.html(2024年12月10日利用)