2024.11.30
パフォーマンスアップを目的に、多くのアスリートが筋肉づくりのためのトレーニングを実施しています。トレーニングに合わせて食事をしっかり摂る必要がありますが、その中でもたんぱく質に注目して、具体的な必要量や食事のポイントをお伝えします。
たんぱく質の働き
たんぱく質は、筋肉、臓器の材料となる、とても重要な栄養素。皮膚、爪、髪の毛や、ホルモン、酵素の材料にもなり、たくさんの働きがあります。また長時間の運動時において、炭水化物、脂質からのエネルギーが不足している場合は、生命維持のため、身体を構成しているたんぱく質が分解されて、エネルギー源として利用されます。
たんぱく質の必要量
筋肉量、筋力をアップするためには、トレーニングに合わせてたんぱく質の摂取が重要になりますが、その量は一般の人より多くなります。競技によって必要量は異なり、下図が目安量になります。
●体重1kgあたりに必要なたんぱく質量
(例)体重60kgの持久系アスリートの場合
60(kg)×1.2~1.4(g)=72~84(g)
➡1日必要なたんぱく質量は72~84g
たんぱく質が含まれる食材
スーパーなどで手に入りやすい食材のたんぱく質量は下図の通り。肉、魚、卵や豆腐以外にも野菜や穀物にも含まれています。
●100gあたりのたんぱく質量
ごはんからもたんぱく質を摂ろう
たんぱく質を摂ろうとすると、おかずをたくさん食べるイメージがありますが、実は日本人になじみ深いごはんにもたんぱく質は含まれています。上図の通り、100gあたりのたんぱく質量は、肉や魚に比べると少ないですが、白米茶碗1杯(炊飯後150g)だと3.8gのたんぱく質が摂れます。アスリートは炭水化物の摂取も重要であり、体格が大きい選手では、1食あたり1合(炊飯後約330g)以上必要なアスリートも少なくありません。白米1合あたりのたんぱく質量は8.3gになります。
また、肉や魚は脂質が多い食材もありますが、ごはんは脂質が低いため、たくさん食べても脂質の摂りすぎの心配はありません。何かひとつの食材に偏ることなく、バランスのよい食事を意識しながら、上手にたんぱく質を摂りましょう。
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参考
●厚生労働省 e-ヘルスネット たんぱく質
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-044.html
(2024年11月30日利用)
●岡村浩嗣,アスリートのたんぱく質栄養の考え方,日本スポーツ栄養研究誌第2巻(2008)
https://www.jsna.org/cms/wp-content/uploads/2022/11/2-p7-12.pdf
(2024年11月30日利用)
●アスリートの栄養摂取と食生活
https://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data/ikusei/doc/k3-34.pdf
(2024年11月30日利用)
●文部科学省 日本食品標準成分表2020年度版(八訂)
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
(2024年11月30日利用)
●鈴木志保子,「理論と実践 スポーツ栄養学」,日本文芸社,2018