2024.9.28
スポーツでパフォーマンスを上げるための身体づくりや健康のための身体づくりのために、
ジョギングや筋トレをしたからといって、必ず身体が良い変化をするというわけではありません。
「運動」「睡眠・休養」「食事・栄養」の3つの要素を適切に且つバランス良く、とり入れることが大切です。
身体を良い方向へと変化させ、スポーツでのパフォーマンスアップや元氣で活動的な身体とを手に入れるためには、それぞれの要素を適切にバランスよく行うことが重要です。
1.運動
健康的な身体づくりをという場合、厚生労働省が発表している「健康づくりのための身体活動基準2023」を参考にするのも良いでしょう。
【参考・引用】
厚生労働省
身体活動・運動の推進「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
https://www.mhlw.go.jp/content/001194020.pdf
例えば、成人の場合
・歩行又はそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上行うことを推奨する(1日約8,000歩以上に相当)。
・息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上行うことを推奨する。
・筋力トレーニングを週2~3日行うことを推奨する。
を目指すよう記載されています。
また、スポーツのためのトレーニングでは、それぞれの競技や目標とするプレースタイルによって内容や量は変わりますが、注意が必要なのはオーバートレーニング。無理な負荷を身体にかけてしまうと、回復が十分にできず身体の免疫機能が落ちたり、怪我に繋がってしまったりします。また、食事や休養とのバランスが悪いと身体が思うように変化しないだけでなく、怪我や病気に繋がることもあるので注意が必要です。
2.睡眠・休養
トレーニングや運動によって傷ついた筋肉や疲労を回復させるためには、睡眠が欠かせません。
睡眠中に「成長ホルモン」が分泌され、筋肉などの身体の組織の修復・再生を促します。成長ホルモンの分泌は思春期にピークを迎え、徐々に低下しますが年齢を重ねても分泌され続けるので、しっかりと睡眠を確保することが大切です。また、副交感神経の働きにより疲労が回復します。
睡眠時間について、年齢による違いはありますが成人は6時間以上、小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間の睡眠をとることが推奨されています。
(高齢者は夜間に床の上で過ごす時間(床上時間)が8時間以上にならないよう且つ必要な睡眠時間を確保することが推奨されています。)
睡眠不足は疲労や筋肉の回復を遅らせるだけではなく、集中力の低下や不必要な食欲増進につながることがあります。睡眠時間を十分に確保することは難しいという場合は、できるだけ睡眠時間を確保しながら質の良い睡眠がとれるよう、眠る準備をしましょう。
【質・量ともに十分な睡眠をとるために】
・就寝2~3時間前に入浴(湯船に浸かる)し、体温を上げる
・寝る前にはリラックスできるよう好きな本を読んだり音楽を聴いたりする
・カフェインや電子機器は避ける
・睡眠に関わる「メラトニン」というホルモン(体内時計を調整して睡眠へと誘導する)の生成を促すため、かつお節・煮干し・魚介類、乳製品、大豆食品、豚肉や鶏肉などの食品を意識してとる
上記のことを心がけましょう。
3.食事・栄養
私たちの身体は食べたもの、口にしたものからできています。
今までの日々食事の積み重ねが、今の自分自身です。
栄養バランスが偏った食事では、生活習慣病のリスクや、免疫機能低下、トレーニングの効果がでにくい、疲労回復が遅いといったことが起こりやすくなります。
まずは、基本の栄養素『三大栄養素』と呼ばれるたんぱく質、脂質、炭水化物をとりましょう。特に、エネルギー不足にならないよう、しっかりと炭水化物を摂ることもポイント。例えば、ご飯を控えて運動すると、エネルギー不足となり筋肉を分解してエネルギーが補給されてしまうので、健康的な身体づくりとは言えない状態になりかねません。
この他にビタミン・ミネラル、食物繊維も欠かせません。
これだけ摂っておけば大丈夫!という食材はありません!
米、肉、魚、野菜、果物、豆類、乳製品、海藻類など、さまざまな食材を組み合わせて食事を摂るようにしましょう。また、定食のような「主食・主菜・副菜・汁物」の食事は、様々な食材を摂ることができバランスが整いやすいのでオススメです。
そしてもうひとつ押さえておきたいポイントがあります。
このポイントを意識すれば、もっと効率的に身体は変わります!
そのポイントとは・・・・
「噛むこと」!!
普段の食事、何気なく食べていませんか??
意外と見過ごされがちなポイントですが、身体づくりに大きな影響を与えます。
どれだけ良いものを食べていても、しっかりと消化吸収されなければ意味がありません。
消化の始まりは「口」。よく噛んで食べたものを細かくし唾液とよく混ぜ合わせることで、腸での吸収を促進します。
液体のものやあまり噛まずに飲み込めるものばかりでは、唾液の分泌が不十分となり徐々に唾液の分泌量自体が減少してしまうこともあります。
また、噛まずに飲み込むことで胃腸に負担をかけてしまい、胃腸が疲労し食べたものが消化吸収されにくくなることも。身体に必要な栄養素が吸収されず、身体づくりができないばかりか、疲労回復の遅れや免疫力低下による体調不良につながりかねません。
正しくきちんと噛むことは、顎の発達やきれいな歯列・噛み合わせに影響します。噛むことで「噛むために必要な筋肉」を刺激するため噛む機能を育て維持します。顎や歯、噛み合わせの状態は姿勢やパワーを出す際にも影響するため、運動の質やパフォーマンスを高めるためには「正しくきちんと噛むこと」は重要なポイントです。
さらに、噛むことで脳が刺激され、覚醒レベルがあがる、記憶力・集中力・判断力が高まるといわれています。朝からしっかりと食事を摂ること、さらに噛んで食べることで日々を活発に元氣に過ごすことや、スポーツでより良いパフォーマンスを発揮することにつながります。
身体づくりの土台といえる「噛むこと」。
運動も睡眠も食事も大切な要素ですが、「噛む」ことがおろそかになってしまうと身体づくりが思うようにできません。
正しくきちんと噛める「お口の健康状態」は、身体の健康状態に大きく影響します。
小さなころからの噛む習慣づくりや、歳を重ねても良く噛んで食べ、食事を楽しめるというのは身体づくりの基礎です!!
関連コラム
【参考】
●厚生労働省
「e-健康づくりネット」
https://e-kennet.mhlw.go.jp/(2024年9月20日利用)
●厚生労働省 身体活動・運動の推進
「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
https://www.mhlw.go.jp/content/001194020.pdf(2024年9月20日利用)
●厚生労働省 睡眠対策
「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf(2024年9月20日利用)