2023.12.26
睡眠のリズムが崩れがちな年末年始
睡眠の質を高めるには規則正しい生活が大切!という話を聞いたことはありませんか?
「そうはいってもね…」という日もありますよね。世論調査では40-50代の日本人女性は睡眠時間が短いという結果があり、家事や子育て、仕事で忙しい世代であることがうかがえます。
忙しい毎日から離れる年末年始は、楽しいお出かけや会食、家族との団らんなどでついつい夜ふかしや朝寝坊をしてしまう、そんな方も多いのではないでしょうか。私もその一人です。
では、規則正しい生活の他に睡眠の質を高める方法はないのでしょうか?
セロトニンの分泌を高めよう!
睡眠には環境的な要素・社会的な要素・個人の要素など様々な要素が関係しています。このうち、個人の要素で関係しているひとつがセロトニンの分泌量。
セロトニンは睡眠・覚醒レベルを調節する神経伝達物質です。セロトニンは催眠作用のある睡眠ホルモン「メラトニン」の材料です。メラトニンの分泌によって入眠が促されます。このことから、寝入る前までにセロトニンを充分に分泌させておく必要があります。
まず、セロトニンの分泌を高める方法について3つのポイントでみていきましょう。
1.3つのリズム運動
1-1.歩行
「運動するぞ!」と思ってもなかなか重い腰が上がらなかったり続かなかったりするのは、わざわざ時間をとらなければいけないところに原因があるかもしれません。
では「歩く」ことはどうでしょうか?家の中の移動をはじめ、買い物や通勤、仕事中など一日の中で歩く機会があると思います。
いつもまとめ買いをしているけれど、あえてこまめ買い物に行く、通勤途中のエスカレーターを階段にしてみる、などちょっと変化を加えるだけで歩数が増えます。時間にも心にも余裕がある時は、ひと駅分歩いてみるのもいいでしょう。
1-2.咀嚼
あまり知られていませんが、よく噛んで食べることでセロトニンの分泌量が増えます。
現代社会は卑弥呼時代に比べて噛む回数が1/6に減ったともいわれています。噛むことは自然と身につくわけではなく、学習して覚えるのをご存知ですか?
よく噛むには具材を大きめに切る、火を通し過ぎないなどの工夫が必要です。また、きのこと根菜など食感の異なる組み合わせも噛む回数が増えますよ。
せんべいも「噛みなさい!」と言わなくても自然と噛んで食べるのが特徴です。
1-3.呼吸
呼吸は、普段はほぼ無意識で行っているのではないでしょうか?1日1回、20分程度、ゆっくりと深い呼吸を行うことが好ましいとされています。
20分は時間が取れなくても、気づいたときに4~5回、深呼吸をしてみてください。肺のすみずみまで空気が行き届くことをイメージしてみましょう。日頃の呼吸が浅いことに気がつくかもしれません。
3つの共通点とは?
歩行、咀嚼、呼吸には共通点があることにお気づきですか?それは3つとも「一定のリズムを刻む運動」という点です。リズム運動またはリズム性運動といいます。一定のリズムが脳に刺激を与え、セロトニンの分泌が増えるのです。
2.太陽の刺激
朝、太陽の光を浴びることでセロトニンの分泌が始まります。寝るときには電気をすべて消す、起きたらカーテンを開けて朝日を浴びて身体に概日周期をつけるとよいでしょう。なかなか布団やベッドから出られない場合は家族にカーテンを開けてもらったり、遮光しないカーテンを使ったりと窓から日光が浴びられるように工夫してください。
この他、睡眠の質を高めるために①夕方以降のカフェインをとらない、②遅すぎる夕飯は内容を考える、③寝る前のスマホを見るのを控えるなど、できることから取り組んでみましょう。
3.トリプトファン摂取
食事の面からもセロトニン分泌を増やす方法があります。それはセロトニンの材料となるトリプトファンというアミノ酸をとることです。
トリプトファンは肉・魚・卵大豆製品に多く含まれていますが、実は日本人の主食である「お米」にも含まれています!主食は一日で食べる量が多いので自然とトリプトファン摂取につながります。
せんべいでトリプトファン摂取
酒田米菓のせんべいの主な材料はお米(うるち米)です。一度に量を食べられないお子さんやシニア世代のおやつや間食にせんべいを上手に利用するとトリプトファンがとれますよ。
睡眠の質を高める3つのポイント、1.3つのリズム運動、2.太陽の刺激、3.トリプトファン摂取、いかがでしたか?「できそう!」と思ったところから始めて、健やかな睡眠につなげてくださいね。
参考
●厚生労働省 e-ヘルスネット 快眠と生活習慣
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html
(2023年12月15日利用)
●厚生労働省 e-ヘルスネット 眠りのメカニズム
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-002.html
(2023年12月15日利用)
●セロトニン分泌に影響を及ぼす生活習慣と環境 小西正良、吉田 愛実
Journal of Osaka Kawasaki Rehabilitation University Vol.5. 2011. pp.11-20
●NHK放送文化研究部 世論調査部 あなたの睡眠時間は平均より長い?短い?
https://www.nhk.or.jp/bunken/yoron-jikan/column/sleep-2020.html
(2023年12月15日利用)
●林英恵,「健康になる技術大全 第6章睡眠」,ダイヤモンド社,2023