2023.11.27
欠食の影響
一日三度、食事をとっていますか?とらなかった、またはとれなかった食事のことを「欠食」といいます。
欠食すると、一日に必要なエネルギーをはじめ必要な栄養素を摂るのが難しくなります。1回の食事では食べられる量に限度がありますよね。
乳幼児や高齢者は1回の食事量が少ない分、欠食の影響が大きいため、朝昼夕と3食食べることが大切です。
特に重要!朝ごはん
①エネルギーの補給
ヒトは睡眠中もエネルギーを使っています。そのため、起床時にはエネルギーや、エネルギーをつくるために必要な栄養素が少ない状態になっているため補給する必要があります。
朝ごはんの役割は、エネルギーや栄養素の補給。睡眠中に消耗した分や、午前中の活動に必要な分を取り入れるために大切です。
②体温を上げる
食事をすると、口腔内、食道、胃、小腸、大腸、肛門と消化管が動きます。それは消化管が筋肉でできているからです。
一日の中で体温が一番低いのが朝の起床時。朝ごはんを食べることで、消化管を動かし、体温を上昇させ、一日の活動の準備をします。
③生活のリズムをつくる
朝食を毎日食べることと生活との関係について日本人を対象とした研究結果があります。そのなかで、朝食を食べる習慣は生活リズムと関係しているとされ、以下2点が報告されています。
1.幼児から高校生までを対象とした研究では、早寝・早起きの習慣の人が多い
2.幼児や中学生、成人を対象とした研究では、睡眠の質がよい人が多いことや不眠傾向の人が少ない
朝食は食べてエネルギーや栄養素を補給するだけでなく、就寝・起床時刻や睡眠の質への影響があることも分かりますね。
④噛むことで頭も身体も起きる
朝起きた時はまだ身体が眠っていますが、朝ごはんを噛んで食べることで頭が目覚めます。噛むことはリズム運動で脳に刺激を与えるからです。また消化管が動きだすため、身体も目覚めます。
それだけではありません。噛むことで、胃や腸が動くスイッチが入り、「ぜんどう運動」といわれる腸の波打つような動きによって腸内のものが移動し、便意をもよおすようになります。これは排便のリズムを作るのに大切な働きです。
⑤よい睡眠は朝ごはんから
朝ごはんを毎日食べることが良質な睡眠に関係していると③でふれました。これは朝ごはんで「トリプトファン」というアミノ酸をとることで、睡眠に関係しているセロトニンという物質が体内で作られるからです。また、セロトニンからメラトニンという一日のリズムを調整する作用をもつホルモンが作られます。
トリプトファンは肉・魚・大豆製品に多く含まれることが知られていますが、実はお米にも含まれていることをご存知でしょうか。お米は主食なので、一日で食べる量が多いのが特徴。ご飯から多くのトリプトファンをとることができます。
欠食の理由はさまざま できることから始めよう
朝食を食べる習慣は、塾や習い事で寝る時間が遅くなる、不規則で朝起きられない、親世代の朝食欠食習慣など、様々な事情が影響しています。仕事の都合でお昼ごはんを食べそびれてしまうこともあるでしょう。
もし、朝ごはんを食べていなかったら、10分早起きして、バナナやヨーグルトなどまずは何かを口に入れるところから始めてみませんか?
袋を開けたらすぐに食べられる、酒田米菓のハッピーカムやミライオニギリもおすすめですよ。
参考
●文部科学省 中学生用食育教材(指導者用)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/eiyou/20220216-mxt_kouhou02-2.pdf
(2023年11月3日利用)
●農林水産省 朝食を毎日食べるとどんないいことがあるの?
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/evidence/chosyoku.html
(2023年11月3日利用)
●窪田金次郎監修 日本咀嚼学会編,「誰も気がつかなかった噛む効用 咀嚼のサイエンス」,日本教文社,1997
●厚生労働省 e-ヘルスネット 快眠と生活習慣
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html
(2023年11月3日利用)