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噛む健康・カラダづくり

「噛んで食事を食べる」ことは子どもの力を引き出す~きちんと噛んで食事を摂ることと「学習」との関係~

2023.9.30

  

子どもにとっての「よく噛んで食事を食べる」メリット 

近年、様々な研究により「食事」や「噛むこと」が、私たちの心身に影響を及ぼすことがわかってきました。成長や活動のため、空腹を満たすだけでなく、「食事」や「噛むこと」には、多くの効用があります。本コラムでは、子どもにとってのメリットについていくつかご紹介します。

   

 

1.噛むことは歯並びに影響する

 

生まれてから約半年ほどで乳歯が生え、そして永久歯へと生え替わります。身体や歯が成長する中で、あごも成長していきます。この成長の段階にしっかりと噛むことで、口のまわりの筋肉が使われてあごが発達し、永久歯がきれいに並ぶ土台がつくられます

歯並びが悪いと噛み合わせが悪くなってしまうため、食べたものを細かくかみつぶすことができず、消化吸収が悪くなってしまったり、虫歯になり易い、頭痛や肩こりがおこるといったことを引き起こす可能性があります。栄養を十分に取り込むことができなければ、成長はもちろん、脳の活動にも影響し、また身体の不調は、集中力も低下し学習にも影響することが考えられます。

  

 

2.噛むことで脳の機能アップ

 

噛むことは記憶の機能に影響しているという研究があります。
ある研究で、「噛むことで記憶力が高まった」という結果や、「噛む力が強い子どもほど『ワーキングメモリ(短期的な記憶)能力が高い』」という結果が得られています。しっかりと噛むことで脳が活性化し、学習にも影響しているということです。「噛むこと」は集中力、記憶力向上をサポートしてくれることが期待できます!

  

 

3.食事は健康的な心身に欠かせない!!

 

良く動き、どんどん成長していく子どもにとって、食事は成長に必要な栄養素の補給、活動エネルギーの補給という大きな役割があります。

特に、「朝食」を摂ることはとても大切です。

内臓や脳は休まず働いているため、夕食で摂取したエネルギー源「ブドウ糖」は寝ている間も使われています。つまり、朝は脳や身体のエネルギーが不足している状態です。朝、脳のためのエネルギーをしっかり摂らないと、集中力が高まらずイライラが続いてしまいます。身体を動かすためのエネルギーも不足しているので、だるかったりやる気がわかず、元氣がでません。

朝食をきちんと食べて、エネルギーを補給し、身体も脳もしっかり起こしてあげましょう!また、空腹でおなかがグーッと鳴ってしまうのを気にしていては、授業にも集中できません。

おすすめなのが、朝の米食。

ご飯は腹持ちがよく、ブドウ糖を長時間に渡り安定して脳に送ることができます。また、しっかり噛むことで脳の血流がよくなり、活性化することで学習効果のアップにも繋がります。

他にも、朝食の果たす役割は沢山あります。

  

①体温の上昇・維持

朝食は心身活動のスイッチを入れる効果があると言われています。朝食を食べると体温が上昇し、エネルギー代謝が増加します。朝食を食べないと、昼食を食べるまでの午前中にしっかりと体温を上げることができません。体温が上がれば、活動もしやすくなりますし、免疫機能にも影響します。

他にも、体温の上昇は睡眠にも影響を与えます。人の体温は昼間の活動時間に高くなり、夜の休息時間には低くなるというリズムを繰り返しています。朝食を食べてしっかりと体温を上げることで、夜ぐっすりと眠ることができるようになります。睡眠は身体だけではなく、脳の疲労を回復させ、ストレスを軽減させる効果があります。また、睡眠は記憶した様々な情報を整理し定着させる働きがあります。

 

②生活のリズムを整える

朝食は体内時計を整えるために重要なことが研究でわかってきています。生活リズムが整い、自律神経のバランスを整えることにも一役買いますから、朝食は大切です。

 

③便秘の予防

朝、胃に食べ物を入れる事で胃腸が刺激され便秘の予防・解消にも繋がります。

よく噛んで食事を食べることは、成長のためだけではなく、日ごろの心の状態、やる気などにも大きく影響します。学習をするための土台作りに「噛んで食事を食べる」ことは欠かせません!! 

3食、できるだけ同じような時間に、しっかりと噛んで楽しく食事をすることが、心と身体の成長や学習面に良い影響を与えます。空腹を満たすためだけでなく、元気な自分自身を作るために食べるというイメージをもって、食事と向き合えると良いですね。

 

 

正しく噛む力を育てよう

 

「噛む力」を育てるためには、子どもの成長段階に応じて、子どもが噛み切れる固さの食べ物を選びましょう。口を閉じ、上下左右にあごを動かし奥歯で食べ物をすりつぶすように食べられるよう声掛けや見本を見せながら、味や噛み心地などを話しながら楽しく食事をしましょう。また、食事の際の姿勢も大切です。足がブラブラしないよう、床や足置きなどにかかとがつくよう工夫をしましょう。

噛むことにすぐに疲れてしまう、という場合には徐々に堅いものに慣れていけるよう食べるものや調理方法などを工夫しましょう。

  

噛む力を育てる酒田米菓のおせんべいもオススメです!

堅焼きのおせんべい、薄焼きのおせんべいもありますが、中でもComefit(カムフィット)シリーズの「ハッピーカム」は、原料や噛み応えにこだわってつくった商品です。

ハッピーカムは余計なものを使わずに、またフラクトオリゴ糖を使用しているので優しい甘さのお菓子です。また、玄米クラッカー、米パフ、アーモンドの3種類が入っているため、噛む動作を引き出します。というのも、人は食感の異なるものが口に入ると自然と噛む回数が増えるからです。

この商品は、おやつとしてだけではなく、サラダやスープのトッピングにも使えますし、グラノーラとしてもお召し上がりいただけます。

  

  

  

参考

1.船越正也,佐橋喜志夫「咀囑と学習効果」日本歯科評論,Nα620(p73-84,1994年)

 Sakamoto K, Nakata H, Kakigi R:

 The effect of mastication on human cognitive processing: A study using event-related potentials.

 Clinical Neurophysiology, on Nov. 19

2.農林水産省ホームページ

「朝ごはんを食べないと」

 https://www.maff.go.jp/j/seisan/kakou/mezamasi/about/about.html(2023年9月30日利用)

3.文部科学省
 家庭で・地域で・学校でみんなで早寝早起き朝ごはん
 -子どもの生活リズム向上ハンドブック-(平成19年度)
 第3章 生活リズムの確立と朝食 

 https://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/katei/08060902/004.pdf(2023年9月30日利用)

 「早寝早起き朝ごはん」中高生等向け普及啓発資料

 https://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/katei/1359388.htm(2023年9月30日利用)

4.国立研究開発法人
 量子科学技術研究開発機構
 量子生命・医学部門
 ものを噛む“チューイング”、脳の作業記憶が向上

 https://www.qst.go.jp/site/qms/1631.html(2023年9月30日利用)

  

   

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