2023.06.30
生き生きと元気に自立した毎日を
いつまでも元気に好きなことを楽しみたい!誰もがそう願うことでしょう。しかし現代の日本では日常生活に問題がなく過ごせる「健康寿命」と0歳における平均余命の「平均寿命」の差である「日常生活に制限がある不健康な期間」が男性で約9年、女性で約12年あります(2019年)。長いと思いませんか?
日常生活に制限なく過ごす「健康寿命」を伸ばすためには、自分の歯や口、身体の健康に関心を持ち生活習慣を整えることが大切です。特に「口」は栄養を取り込む食事や、会話でのコミュニケーションなどに欠かすことができない重要な役割を担っています。したがって、私たちが元気に歳を重ねるには、食べる力を維持することがカギとなります。では、どうしたらいいのでしょうか。3つの視点で見ていきましょう。
①食べる量を維持
中高年まではメタボをはじめ、生活習慣病や体重過多防止のため、食べ過ぎないように気をつけましょうと指導されます。一方で、日本の高齢者は「やせ」の比率が多く、70歳くらいを境に「しっかり食べましょう」と指導の内容がシフトします。しかし、一般的に歳を重ねていくと、噛む力や飲み込む力が弱くなり、食が細くなりがちです。中高年時代に食べる量を減らしていた場合、70歳を過ぎたからといって食事の量を急に増やすことはとても難しいでしょう。したがって、70代以降も自分に合った食事量が食べることができるように、若いうちに食事を減らし過ぎず、適量を食べることが大事です。
②たんぱく質を摂る
高齢になると消化吸収力が低下するため、たんぱく質の必要量が増えます(日本人の食事摂取基準2020)。たんぱく質を多めに摂るということは食べる量を増やす、栄養素密度の高いものを選ぶ等の方法があります。一度に食べられる量が減ってきたときは上手に間食を利用しましょう。酒田米菓のたんぱく質が摂れるせんべい「ミライオニギリ」もおすすめです。
③噛む力を維持する
①②で挙げた、食べる量を維持する・たんぱく質を摂るために重要なのが、③噛む力を維持することです。噛む力とは、歯で食べ物を噛んで小さくして、飲み込める状態の塊(食塊)を作ること。噛む力が弱くなり、噛んで飲み込むことができなければ、栄養を身体の中に入れることができません。私たちの身体は食べたものでできています。食べ物の入り口として、お口の状態をよくしておくことが全身の健康につながります。お口の状態をよくしておくには、食後や就寝前に歯や口の状態にあったお手入れが大切です。かかりつけの歯医者さんを持ち、定期的に健診を受けてクリーニングをする、ケアの方法を歯科衛生士に指導してもらうことで噛む力を維持していきましょう。噛む力の維持は健康寿命の延伸に寄与します。
今の「噛む力」を知るには?
今のままで充分なのか、詳しい検査や治療が必要か、今の自分の「噛む力」を知りたくないですか?ガムやグミを使って噛む力をチェックする方法があります。どちらも咀嚼したあと口から吐き出して状態を確認する方法なので、衛生面が課題です。そこで酒田米菓は噛んだあとそのまま飲み込む方法で噛む力をチェックするせんべいを開発しました。その名も「咀嚼チェックせんべい」。咀嚼チェックせんべいを1枚口に入れて、30回以内に飲み込める程度に咀嚼できるか?を良いお口の状態の目安にしています。なぜ30回なのか?酒田米菓では2022年11月から2023年3月にかけて、秋田市歯科医師会・秋田県歯科医師会協力のもと、約900人規模の実証実験を行いました。こちらについては別のコラムで紹介します。
参考
- 厚生労働省 e-ヘルスネット
平均寿命と健康寿命 - 厚生労働省 e-ヘルスネット
口腔機能の健康への影響 - 厚生労働省 e-ヘルスネット
健康高齢者の口腔ケア - 文部科学省
日本食品標準成分表2020年版(八訂) - 五島朋幸 「死ぬまで噛んで食べる 誤嚥性肺炎を防ぐ12の鉄則」
光文社新書 2021年2月28日