2023.5.30
エネルギー源として優れているお米
私たち日本人の主食であるお米。どんな特長があるか考えたことはありますか?近年では「お米は糖質が多いので太る」というイメージや、糖質制限ブームで敬遠されがちです。しかし長い歴史の中食べられてきたお米がエネルギー源として優れていることは意外と知られていません。では、どんな点がお米優れているのでしょうか?
脂質が少ないエネルギー源は優秀な調整役
お米には含まれている脂質が少ないのをご存知ですか?うるち米(炊く前の精白米)100gに含まれている脂質は0.9g(八訂日本食品標準成分表より)。お米と水で炊いたご飯も脂質が少ないのが特長です。
一般的にはおかずが増えると脂質も増えますが、お米そのものには脂質が少ないため、食事全体に占めるその割合は多くなりません。つまり、食事全体の脂質の割合が多くなり過ぎないようご飯が調整してくれる役割を担っているのです。また、ご飯は味が淡白なので、和・洋・中、どんな主菜や副菜にも合います。このように食事をまとめてくれるご飯の他の特長を見ていきましょう。
お米はたんぱく質源でもある
エネルギーを産生する栄養素として炭水化物・たんぱく質・脂質の3つがあります。お米には、うるち米100gに対して6.1gのたんぱく質が含まれている(前述の図より)ことはあまり知られていません。お米のエネルギーを産生する栄養素のうち、カロリーベースでたんぱく質が占める割合は6%。少ないのでは?と感じるかもしれませんね。しかし、主食のお米は一日に食べる量が多いので、例えばご飯1杯150g(女性のお茶碗1杯分相当)を1日3杯食べると約11gのたんぱく質を摂ることができます。これは小さなゆで卵2個分のたんぱく質量に相当します。お米にはエネルギー源となる炭水化物だけでなく、カラダを作るたんぱく質も含まれているのです。昨今、日本ではお米のたんぱく質が注目され、その機能の研究が進められています。
主食として粒食のごはんを。補食に粉食のせんべいも。
ご飯は粒食なので、粉食であるパンや麺に比べて消化・吸収がゆっくりでエネルギーが持続し、腹持ちがよいことが知られています。これもご飯が優れている一面で、食事の際、ご飯をしっかり食べると余計な間食が減り食事のリズムを作ることができます。一方で、素早く消化・吸収し、エネルギーになることが求められる運動前後の補食では、米粉から作られたせんべいも適していることも。せんべいは米粉を蒸して練った生地を焼いて作るため、余分なものが入りにくい特長があります。せんべいは焼く過程で水分が減るので、お腹にたまり過ぎません。おにぎりでは重たいなと感じる運動前、おやつを欲しがるお子さんの次の食事に響きにくいのがうれしい点です。
実はお米は経済的!
5㎏、10㎏単位で購入することが多いお米は「高い」という印象があるかもしれません。しかし、ご飯1杯150g(女性のお茶碗1杯分)では約30円。高級なブランド米でも1杯50円ほど。実はとても経済的な食品です。
米と水だけで炊いたご飯は以下のように複数の「持続する」メリットがあります。
- 味がシンプルで飽きないため続けて食べられる。
- ご飯は満足感を得やすく、腹持ちがよい。
- 量を食べても経済的。
「持続する」意味を複数持つお米は、エネルギー源としてとても優秀な食品です。慣れ親しんでいるお米の優れた面を意識して食べてみませんか?
参考
- 農林水産省
お米で日本を元気に!~お米・米粉の魅力~ - 文部科学省
日本食品標準成分表2020年版(八訂) - 公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構
ごはんのちから